己を行うに恥あり

 甲子園では沖縄の興南高校が優勝した。この猛暑のなかで連投連投を耐え抜いた島袋投手をはじめ興南高校の選手や監督さんたちにこころからおめでとうと言いたい。天理高校が一回戦で姿を消してからずっと沖縄の興南が春夏連覇の偉業を果たしてくれればと応援してきた。先の大戦で一番の犠牲者であり、しかも米軍基地の島として苦労をかけているという負い目があるせいなのか、県民所得や就業率などでは他の県より劣っているのに家族の絆が強く助け合う気持ちがしっかりしていることなど常々敬意を払っているせいか、単なる同情などというものではなく沖縄には勝って欲しいという気持ちが自然に湧いてくる。

 孔子は「立派な人間とはどういう人でしょうか」と問われて「己を行うに恥あり」すなわち「自分の行動や言葉の至らないところを知っている人だ」と答えたという。立派な人は他の人から言われなくとも自分の至らなさを恥じてもっと努力しなければと考え自分自身の内なる声によって成長するのだそうです。興南高校の選手たちもきっと「まだまだ」「もっともっと」と思いながら他の高校に負けない努力を積み重ねた結果今日の勝利をつかめたものだろう。慢心することなくこれからの人生を「己を行うに恥あり」のきもちで切り開いて欲しいと思う。

 猛暑が一向に衰えを見せないなか、友達に誘われ二日間富士山の裾野でゴルフをさせていただいた。熱中症で300人以上亡くなられたというニュースを聴きながら、申し訳ない気分だった。  

 またきょうから「己を行うに恥あり」を胸に精進したい。明日は「奈良掃除に学ぶ会」の年次大会、200人余の仲間と共に三笠中学校のトイレ掃除をさせてもらって素の気持ちになろう。