歴史教育体制を見直せ

 今年もまた8月15日がやってきた。護国神社の慰霊式典に参加したが戦地に赴いた人達の代表(おそらく90歳をこえておられる)が杖を頼りに玉ぐしをあげておられる姿が痛々しかった。戦後65年も経って靖国神社に総理以下閣僚全員がお参りしないなんてとんでもない。国を代表する人が国家のために命を捧げた人に敬意を払い感謝の気持ちを表す、この当たり前のことが出来ない国は国とはいえない。政治家が中国や韓国の内政干渉に屈したためにこの国の基本を揺るがしている。まことに残念だ。

 昨夜NHKのテレビで「日本の、これから 日韓」というテーマで日本と韓国の若者を集めて討論をする番組があって最後まで見ていた。まず「韓国が好きという日本人が62%だというのに日本が好きという韓国人は28%に過ぎない、また韓国人が思い浮かべる日本人の1位は伊藤博文で日本人が思い浮かべる韓国人の1位がペ・ヨンジュンという韓流スター」というのに驚いた。2時間半以上に及ぶ番組であったが、日本の若者があまりにも歴史を知らなさ過ぎることに苛立ちを覚えた。私がいつもいうように、わが国の高校では世界史が必修科目で日本史は選択科目になっている。その上、中学校でも日本史は縄文時代から学び始め近現代史は時間不足や教師の能力不足?から駆け足でほとんど教えられていないのが現状だ。要するに、日本人でありながら日本人のアイデンティティーを育む教育が不足しているうえに、敗戦の後遺症ともいうべき東京裁判史観が教育現場に暗い影を落としている。

 それに引き換え韓国では、国定国史教科書によって、日帝の侵略・抗日戦争など国をあげて日本の非道を教え、初代朝鮮統監伊藤博文をハルピンで殺した安重根を英雄とたたえている。要するに韓国の子供たちは日本が朝鮮半島でこれだけ悪いことをしたのだと叩き込まれて大人になるわけだから日本を好きになれないのは当たり前である。韓国では一方的な見方の歴史を教えられ、日本人は歴史を知らないまま大人になるから討論してもかみ合わないし、日本人から反論もできない。

 このような状態のなかで菅総理は先日日韓併合100年を迎えるにあたって植民地支配への「痛切な反省と心からのお詫び」を改めて表明する談話を閣議決定して発表した。1995年の村山総理談話を踏襲したそうだが、韓国側で新たな戦後補償を要求したり賠償問題が解決していない日朝関係に影響しないか心配だ。韓国に過剰に配慮すると禍根を残すことになる。

 歴史を知らずして未来を語ることはできないし、国を愛する心も生まれてこない。日本でも近現代史をしっかりと教える教育体制が欲しい。