有権者の声はいい加減なもの?

 鳩山政権から菅政権に代わって内閣支持率が19%から64%にはねあがったという。つくづく有権者の声はいい加減なものだと思う。小沢支配というぎらついたものが薄まっただけで政治の本質はほとんど変わっていないのに国民の目が一変している。民主党政権が誕生して最大のマイナスは日本に対する国際社会の評価が著しく下がったことだと思う。同盟国アメリカの信頼が揺らいだ、中国、韓国、北朝鮮に嘗められているなど日本は安全保障上からみても一層危険な状態にさらされることになった。こんなことさえわからないひとが多いのはまことに残念だ。

 菅総理は第3の道と称し経済、財政、社会保障を同時に良くする事によって日本の繁栄を実現させるとおっしゃっている。民主党のマニュフェストとどのように整合させてゆくのか国会論戦を聞く限りでは全く見えてこない。先日講演された藤岡信勝先生によると、菅という政治家は左翼市民活動家だという。国会答弁を聞いていても、永住外国人の地方参政権や選択的夫婦別姓に賛成のニュアンスをにじませていたし、靖国神社に参拝する意思はないと明言している。

 日本という国は異民族による征服がなかっただけに、考え方が穏やかで安心・安全について鈍感だ、陸続きの西欧やアジア大陸の国々は何時侵略されるかわからないから、せちがらくしたたか、どこの国とも仲良くというのは良いが表面上の付き合いと本心は別だと心得ていなければ大変なことになる。菅総理の政治姿勢では、日本という国家がアイスクリームのようにだんだんと溶けてゆくように思えてならない。

 世はワールドカップサッカーに沸いている。一方で、またもや国技大相撲は不祥事に揺れている。はやぶさの地球帰還は胸を熱くさせた。一万メートル上空から見ると日本列島は森の国、1千メートルまで下りてくると水田が見えてくるそうな。本来日本はそういう国なのに戦後農業や林業を粗末に扱ってきたことが今日の日本人のこころまで荒廃させてきたのではないか。