鳩山総理辞任のニュースを聞いて

 「鳩山総理辞任」のニュースが一日中世界中を駆け巡っている。鳩山政権は初め期待されていただけにたった8ヶ月の短い命で終わり本人はさぞかし悔しいだろうが、この決断はむしろ遅すぎた。平気でウソを言ったり何も決められない指導力の無さ、とりわけわが国の国際的信用を落とした鳩山総理の責任は計り知れない。小沢一郎氏が幹事長職を辞めたことも当然過ぎるくらいだが参議院選挙に不利だからツートップが辞めたというのも有権者をバカにした話ではないか。そして鳩山総理の挨拶の中で「国民がじょじょに聴く耳を持たなくなってきた。」という言葉を聴いて「ひどい人だな」と思う。自分の失敗を棚に上げて国民のせいにするとは許せない。

 普天間の問題では数日前アメリカと合意文書を交わし、昨日は中国の温家宝首相を迎えて首脳会談を終えたばかり、アメリカも中国も「日本という国は目まぐるしく総理が替わるから、約束を交わしても何時反古にされるかわからない。信用できない。」と思われているだろう。また、民主党が中心の政権というものの、非武装中立・護憲といい続けている社民党と連立を組んでおれば安全保障政策でいずれ破綻の運命にあることはわかっていたことだ。

 先日奈良県防衛協会の総会で、来賓として民主党国会議員が2人挨拶をしていたが、まことにお粗末、私たちのテーブル席では非難ごうごうであった。自民党の国会議員は本人欠席、これだけ普天間普天間といわれているときだけに、奈良県選出議員としてなに党によらず真正面から防衛についての自分の考えを披瀝して欲しかった。

 昨年8月の総選挙で政権交代の掛け声に乗せられ民主党に投票した有権者がいま民主党批判に回ってえらそうなことを言っている人が多い。特に評論家はひどい。「大衆は愚にして賢」というがほんとうか?政治家のレベルは有権者のレベルと同じ、有権者のレベルも政治家のレベルなのだ。こんな世界に長い間身を置いてきた己が惨めに思えてくる。