どうすれば子供は真っ直ぐに育つのか?

 奈良県更生保護大会で薬師寺管長に就任されたばかりの山田法胤師の講演を聴くことが出来た。いつもながら、お話がうまいし中身も良かった。そのなかで、美智子皇后陛下のお歌を引きながら「人間の人生もあのときこうしなかったら変わっていただろうと思うようなことが誰にもあるだろう。」と言いながら、「こころの持ち方一つで生き方が変わる。」というように日本人の「能く生きる」生き方を説かれた。

 更生保護に関係する800名が集まっていたが、みな、過ちを犯した人達をどうしたらもう一度更生させることが出来るか悩んでいる人が多いようだ。わたしのような未熟な人間が他人を立ち直らせることの難しさを最近特に感じている。小さいときの家庭環境によって、ことに両親の夫婦仲が悪いと子供は確実にゆがんで来るように思う。子育て放棄・虐待・不登校・いじめなどこころの問題も深刻なのに、政治の場で子育てというとカネをばらまくことしか考えてないようにみえる。子供を真っ直ぐに育てる環境をどうしたらつくれるか、貧しくとも子供が立派に育った時代を思い起こしながらもっと議論すべきではないか。