自民党の新聞「自由民主」に寄稿したものです

 

立党の精神を呼び起こせ!

私は奥野誠亮代議士に29歳のときから二十年余お仕えし、国政を学ばせていただきました。身体の中に流れる憂国の想いはこの間に形成されたものだと存じます。

昭和30年、吉田茂率いる自由党と鳩山一郎党首の日本民主党、これら二つの保守政党が合併を果たし、自由民主党が誕生しました。その合併の目的は何だったか、二つの大きな理由がありました。一つは経済復興、二つ目は自主憲法の制定でありました。あれから半世紀以上たったいま、振り返りますと、経済復興は成し遂げることが出来たけれど、いまだにアメリカの占領政策が影を落とし日本国憲法の見直しは実現しておりません。というより、自由民主党が立党の精神を忘れてしまった、更には戦争の相手国であったアメリカかぶれが過ぎ本来日本人が持っていた良いものまで見失ってしまったようであります。

いまこそ、自由民主党の精神を呼び起こし健全保守の旗印をしっかりと立てて歩むことが大事ではないでしょうか。

護憲・非武装中立と改憲・日米安保堅持の水と油が同居しているような民主党が「政権交代・政権交代」とわめき散らし、国民の側も自民・民主どちらが政権をとってもあまり変わらないと思っていること自体大問題であります。隣の国からいつミサイルが飛んでくるかわからないというのに国家の安全保障を「平和を愛する諸国民」に委ねる憲法を持ち続け、なお国会で憲法論議すら封じられているような国は独立国と言えるのでしょうか?

また、他国の内政干渉に屈し、国家のために尊い命を捧げた人を祭る靖国神社に日本国を代表する天皇や内閣総理大臣が参拝できないという事実も情けないことです。

まさに政治の不作為、平和ボケの日本といわざるを得ないと思います。先輩が決めた立党の精神に立ち返ることが自民党への信頼を取り戻す鍵であり日本国の安泰につながるものだと確信します。