減反政策にストップ、そしてどうする?

 日本の食糧、農業を考えると、わたしは以前から減反(米の生産調整)政策は廃止すべきだと言い続けている。ようやく石破大臣が手をつけようとされているがなんだか当初の張り切りようからすると尻すぼみのように見える。コメの価格をカルテルによって維持してきたことが、結果として農政を歪め農業の成長や担い手の育成にブレーキをかけ、競争力に欠ける農業構造温存に手を貸してきたのではないか。農家にコメを作るなと言いながら77万トンも輸入せざるを得ないのもわかりにくい話だし、国民は減反政策のために余計な税負担と強いられ高いコメを食べさせられていることになっている。

 このような閉塞感漂う農政に、民主党はスキをついて戸別所得補償というにんじんをぶら下げて一昨年の参議院選挙に勝利した。こんな政策ではますます農家の足腰を弱めてしまうのではないかとも思う。日本の農政改革はそのような単純な切り口で成し遂げられるものではなさそうだ。自作農主義、農地の貸し借り、担い手育成、小規模農家対策などにメスを入れなければならない。わたしは、農政をもっと政治の最重要課題として取り上げ、消費者たる国民の皆さんもまきこんだ議論を高めるべきときだと思う。きっとより良い知恵が湧いてくるに違いない。