人間の業

 源氏物語ゆかりの宇治市でオペラ「月の影」-源氏物語ーが上演された。この作曲を担当された奈良の尾上和彦さんのサポーター役「劇場空間in奈良」の代表をつとめているのでご招待を受けてみせていただいた。千人以上入る宇治市文化センターが超満員の大盛況、お客さんはほとんど女性ばかりであったが町上げてこれを盛り上げようとの熱気が伝わってきた。主催者や関係者が相当熱く取り組んでいただけに見ごたえがあった。しかし、源氏物語がどうしてこれほど文学的価値を認められ長い間愛されているのか、光源氏は単なるプレーボーイに過ぎない、こんなに非倫理的な行状がなぜもてはやされるのか、男として羨ましく思いながらも許せない気持ちもあって不思議に感じるのである。男と女の世界とはこんなものよ、人間の業が持つ哀れこそ月の影のようなものと解釈したらいいのかな?と思いながらみていた。

 政治の世界では、民主党小沢代表の秘書が逮捕された事件が自民党にも波及しそうな気配だし、小沢氏の強気な態度も少しトーンダウンしてきている。起訴は間違いなかろうという報道が多いし、衆議院の解散・総選挙への影響がどうなるのかいろんな意見が飛び交っている。政治とかねの問題は永遠の課題といわれるようにこれも何時の世も金欲から逃れることの出来ない人間の業かもしれない。