ニートと向き合って

 保護司として久しぶりに対象者と向き合った。なにを言ってもものうげに「はーい」としか答えない。働く意欲もなし、勉強する意欲も感じられない。小遣いはどうしてる?食事は?なにを聞いても黙ったままのときもある。18歳の万引きの前科を持つ少年A、家庭は母と二人暮らし、母親とどんな会話を交わしているのかも見えてこない。母親はこの子が小さいとき虐待をしていまでは後悔しているという。いまの世の中働きたくとも働けない人が多くなって大きな社会問題になっているというのになんということか。この子と向き合って2年になるというのにほとんど進歩がない。保護司としてまた人間として「こんな子供一人救えないのか」と思い無力さを感じる。