「田母神論文」について

 「わが国が侵略国家だったというのは濡れ衣」とした論文を発表して防衛省の田母神航空幕僚長が更迭された問題で今朝の朝刊の投書欄に19歳の大学生が書いている文章を読んで感心した。

 いわく「政府側が根拠とした平成7年の『村山談話』については賛否があり、先の大戦についての評価も分かれている。『談話』を否定するような考えを表明しただけで更迭というのは、行き過ぎではないかと思う。政府の見解と異なるという理由で更迭というのなら、見解に沿った人物しか政府の要職に就けず、また一度出した見解は二度と変更することができないことになる。(中略)目先の政局にとらわれ、ただ穏便に済まそうとする与党や、政権揺さぶりの材料にしかしない野党に情けなさを感じる。」

 これを読んで日本の若者にもこんな考えを持っている人がいることに感激した。

 戦争は双方に責任があり、双方に非がある。一方だけが悪いということは考えられない。アメリカは原子爆弾を落とし何十万人という非戦闘員である日本人を殺したが謝っていない。ロシアは相互不可侵条約を破り日本が負けるとわかってから参戦し満州にいた日本人に略奪・殺人・強姦などを働き、終戦後日本兵を60万人もシベリアで強制労働させ6万人を死なせたが謝罪していない。不当な東京裁判で日本だけが侵略戦争をやったと一方的に裁かれ、自虐史観をそのまま受け入れていることこそいまに生きる日本人としてご先祖に申し訳ないと思う。

 先の大戦に対する評価を政府内で自由に議論できる空気を作らないとダメだ。田母神氏の出し方には私も問題だとは思うが、彼が訴えている中身は評価できるしそれを封印しようとする政治のなんと寂しいことよ。