「日本文明のこころとかたち」シンポジウムを聞いて

 東京で教科書改善シンポジウム「日本文明のこころとかたち~子供たちに伝えたい日本の国家像」が開かれ、かねてより予約していたので最後まで聞くことができた。コーディネーター伊藤隆、登壇者中西輝政・川勝平太・笠谷和比古・竹田恒泰の各氏、豪華メンバーである。それだけに大変勉強になる充実した内容であった日本文化は中華文化の末流・中華文明の周辺国に過ぎないという考えは間違っておりサミュエル・ハンチントンのいうように日本文明は独自の世界に誇るべきものである」というのが各氏の共通した考えであった。中西輝政先生の小泉改革に対する痛烈な批判は小気味良かった。「日本文明という視点のない欧米流のマネではダメ、バラマキをいう野党もダメ、どちらも日本本来の生き方ではない。日本人の心を失ってはならない。」という、その通りだと思った。川勝先生の「戦前は軍事力、戦後は経済力が大きかった。これからは日本の文化力を見せるとき、世界は日本の文化力にあこがれている。」というのもうなずけた。竹田氏の「民主主義は多数決、国民が賢いことを前提にしている。愚かだと国が悪くなる。だから教育が大事なのだ。」「現存する国で日本は最古の国、最も短く見ても1800~1900年まえから脈々と続いている。」「日本文化の深さは世界最古の王朝が続いているからだ。」「世界で一番価値あるパスポートは日本のパスポートです。」という言葉にも驚かされた。また、「日本史の古代史を考古学から教えるのではなく日本書紀から教えるべきだ。事実であるかどうかが問題ではなく神話も含めて教えることが大事です。」という話もその通りだとおもった。