奈良の歴史から日本を考える

 家内に誘われて県立橿原考古学研究所付属博物館へいった。埴輪の特別展と古代から奈良時代までの常設展をやっていた。いずれも奈良県内で出土したものばかりで構成されていたが、奈良の歴史がそのまま日本の歴史であることを実感した。ボランティアガイドが丁寧な説明をしてくれたのでじつにわかりやすく勉強になった。われわれの先祖は、この島国の恵まれた大自然のなかで大陸文化を取り入れながらも独自の素晴らしい文化を育んできた。改めて日本に生まれた喜びをかみ締めることができた。

 ひるがえって、一昨日秋葉原で起きた通り魔事件はどういうことだ。「誰でも良かった」と言って無差別に人を刺し殺した犯人は、契約社員で職場を転々とし不安と孤独のなかで自暴自棄になっていたという。この男も携帯電話でメールのやり取りをしてバーチャルな世界にのめりこんでいたようだ。不安と孤独が渦巻く現代社会を古代の日本人がもしも見ることができたら何というだろう。