韓国における新しい歴史教科書作り

産経新聞にソウル支局長黒田勝弘さんの署名いりの記事がありひきつけられた。韓国にも新しい歴史教科書作りが始まっているというのだ。韓国はこれまで僕たちが日本で進めてきた「新しい歴史教科書をつくる会」の活動を終始歴史を歪曲していると批判してきただけに興味深い記事であった。

黒田さんによると、

 いままでの歴史教科書特に韓国現代史では野党弾圧など政治的独裁状況や反政府闘争など「暗」が強調され経済力が発展した「明」の歴史は目立たない記述になり自虐的だった。このような教科書に不満の保守派学者たちで新しい歴史教科書作りが起こり、試作品が出版された。ところが、左翼系メディアなどから「韓国版・扶桑社教科書」と非難され、日本統治時代を美化し過去を歪曲しているという声が上がっている。

                                              というのだ。

 そこで黒田さんがラジオ・インタビューを受け、新しい教科書には植民地美化という批判があるがどう思うか?と聞かれ次のように答えたという。

 「あの時代を日本支配による抑圧と受難、それに対する民族的抵抗で描くという基本のワクは変わってないように思う。それでもあの時代に経済成長があり、人口が増え、身分社会が壊れ、女性の社会進出が始まり、近代的な考え方や生活スタイルが広がったことなど、多様な面が新たに記述されている。韓国人も余裕が生まれ歴史を客観的に見るようになったのではないか。」と。さすが産経新聞の支局長だ、余裕があるね。

 韓国でも歴史の光と影のバランスを考えるようになりつつあることはいい傾向ではないか。