自衛隊OB元陸将大久保さんの講演

 防衛協会奈良支部主催の講演会に参加、「安全保障環境の変化とわが国の防衛」というテーマで大和郡山市出身の元陸将、大久保博一氏がわが国の防衛政策の根幹に関わる中身の濃い話をしてくださった。

 「国防、安全保障の問題をアメリカに依存したまま60年過ごしてきたが、日本国民皆が自存意識に目覚めないといけない。中国をはじめ日本を取り巻く北東アジアの脅威・環境変化に対応できていないこと、防衛に対するわが国の法的枠組みの非現実性(自衛隊が軍隊として認められていない、交戦権が容認されていない等)などを考えると実に心配だ。アメリカとの同盟関係を密にしながらも集団的安全保障への道を進みアジア太平洋の安全保障にも積極的に関わっていくことが日本の防衛にもつながる。」というような中身であった。なるほどと思うことが多かった。台湾の将来と中国の関係についてアメリカがどういう姿勢をとるか質問したが、「中国は共産主義の国であり日本や台湾を見限ってアメリカが中国と仲良くすることはないだろう。アメリカの対中国政策は「囲い込み」から「協調」と両用で付き合い、あくまでアメリカ優位は貫くだろう」とのことだった。

 政治家の不作為についても批判されたがわたしも同感、現職のときから久しぶりに会っていい話を聞き嬉しかった。