「いのち」を考える

 いのちの電話協会の催しに家内とともに参加した。河瀬直美監督の『垂乳女(たらちめ)』という映画をみてそのあと彼女の講演があった。映画は彼女自身の生活のなかで育ててもらったおばあちゃんと自分、そして自らの出産体験を赤裸々に描き子供との「いのち」のつながりを表現していた。講演では、「90歳を過ぎたおばあちゃんが痴呆症になっている。子育てをしながら映画作りと取り組んでいるが、生きるとはこういうことか、家族のありがたさなどを感じる。そして生活と祈りが一体となっている奈良が好きだからこれからも奈良で映画を作っていきたい。」といろんな体験を交えながら話された。

 いのちの電話協会は悩みを持っている人や死にたいと思っている人などと24時間電話を通して相談にのっておられる。実に尊い仕事、切羽詰まった人との真剣勝負のボランティアである。頭が下がる。誕生、苦楽を経験しながら続く人生、そしてやがて死を迎える。生きるとはどういうことなんだろう。何のために生まれてきたのだろう。「いのち」について考えさせられたいい催しでした。家内が帰りに一言「もっと若いひとに聞かせてやりたかったね。」