不備な医療態勢

またもや奈良県で、妊婦があちこちの病院に受け入れを拒まれ、搬送中に流産したという事件が起こった。

一年前大淀町で19病院で受け入れを拒否されて妊産婦が死亡するという事件が起こったというのにその教訓が生かされていないといわざるをえない。県は県立医大病院内に、リスクの高い妊婦や新生児を対象にした高度な医療を行う総合周産期母子医療センターの開設を進めているが来年5月にならないと立ち上がらないという。これでは奈良県では安心して子供を産めないといわれてしまう。

「人の命は地球より重い」などと言いながら、危機意識が欠けているのではないか。まさに人災によって人の命が失われた。基本的には医師不足解消に向けて総力を挙げねばならないが、「医師同士の連絡ではなく救急からの連絡は想定していなかった。」などという言葉を聞くと、ガッカリだ。行政の責任は大きい。